最近、立て続けに「google八分」についての取材を受けました。google八分が初めて確認されたのが2004年1月で、その直後にインターネットマガジンとSPAの取材を受けただけですから、2年経って急にブームになったようです。色々聞いてみると、「ウェブ進化論」がヒットして、その中でgoogleが賞賛されているらしいのですが、「本当にグーグルって良い企業なの?」と言う疑問からスタートしているようです。

私としては、グーグルは技術力もさることながら、政治力や巧妙な宣伝活動によって成功した企業だと思っています。簡単に言うと、「3倍優れた技術力を、10倍優れているように見せかけて成功した」って感じです。と言うのも、グーグルは、ずっと検索結果に検閲が行われていること(google八分のこと)を認めていませんでしたが、つい最近「中国政府からの圧力によって、検閲を行う」ことを発表しました。ご承知のとおり、グーグルが検閲を始めたのは、それよりも前、悪徳企業による要請によって行っているのですから、これは単に「中国と言う分かりやすい敵」に対抗していると言うパフォーマンスに過ぎません。

スポンサーになる可能性のある「企業」に対しては甘く、訴訟のリスクが少ない個人に対しては厳しく当たるというのがグーグルの方針です。たとえば私は、グーグルに対して「田中三郎奥平明男が、私の個人情報や親戚一覧と言ったものを公開しているので、検索できないようにして欲しい。またキャッシュも削除して欲しい」と要請したのですが、「検索結果やキャッシュに何を表示するかは全てグーグルが決定します。個人情報を入手できなくて困る人もいるため、検索結果からは削除いたしません。また、日本法人には責任が無いので、訴えるなら米国本社を訴えてください」と言う趣旨のトンチンカンな回答が返ってきました。

ところで、調べてみたところ、ウェブ進化論の著者は「はてな」の取締役のようですね(朝日の記事)。はてなにも大量に負の側面(その1その2その3その4)がありますから、グーグルのように「広告戦略で、実態以上に良い企業に見せかけよう」ってことなんだろうと思います。

ちなみに、google八分についてですが、最近のトレンドは「グロービートジャパン」に関するgoogle八分です。googleで「グロービートジャパン」を検索すると、なんと10件以上のページがgoogle八分にされています(下図)。ほとんどが、グロービートジャパンが告訴し、現在進行形で行われている裁判に関するページのようです。この裁判は、紀藤弁護士が弁護人をやっていて「個人のWEBサイトが起訴された日本初の裁判で、個人サイトの今後を決める重要な刑事事件(紀藤弁護士談)」だそうです。通常、個人の犯罪がマスコミで取り上げられることはありませんから、冤罪も疑われる裁判の進行についてWEBでレポートしようとすると、相手の一方的な申し出によりgoogle八分されるという、全く「ネットジャーナリズムなんて、嘘っぱち」もいいところな事例です(参考記事)。一人の人間が、誰にも知られないうちに裁かれようとしています。こういう事例を沢山知っていると、「マスコミの記事に圧力を掛けるのは難しい面もあるが、ネットの記事なら簡単に潰せる。ネットジャーナリズムを盛り上げよう」と言う陰謀とすら思えてきます。

グロービートジャパンの検索結果(クリックで拡大)

さて、長々と書いてまいりましたが、悪マニが紹介されるかもしれない番組は、MXテレビの「ガリレオチャンネル」です。ガリレオといってもマサルガリレイとは、何の関係もありません。一応、著作権的に「画面の使用許可」を求めるメールが来たのですが、実際紹介されるかどうか分かりませんので、あしからずご了承ください。でも、取材協力の「佐々木俊尚」氏は、google八分の問題をいち早く取材してくれた方なので、内容に期待が持てそうです。

東京MXテレビ ガリレオチャンネル「検索テクノロジーが世界を呑み込む」
4月23日(日)午前8時〜8時半 
4月30日(日)午前8時〜8時半

(補足説明) グロービートジャパンは、「ラーメン花月」「豚そば銀次郎」などのラーメンチェーンを展開している株式会社です。


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