昨日、「はてぶトップ」を公開したところ、「ブックマーク数インフレの軌跡」「はてぶ利用率が上がってるのは分かった」といったコメントが寄せられました。

確かに、数字だけ見ると、2005年2月10日のブックマーク数「12 users」に比べ、1月9日のブックマーク数は「410 users」ですから、着実に増えているような感じがします。しかし、それは単なる気のせいです。

以下の図は、はてなブックマークで、その日の被ブックマーク数・第一位ページの、被ブックマーク数の推移をグラフにしたものです。2005年10月から2006年6月にかけての部分がおかしいようですが、別にグラフが間違っているわけじゃなくて、実際にそうなっています(例1例2)。この期間の第1位の被ブックマーク数は、なぜか127 usersで頭打ちになっているので、はてなのバグだと思います。

で、バグは置いておくとしても、2006年8月から2007年12月にかけての様子を見てみると、被ブックマーク数が全く伸びていないことが分かります。つまりこれはどういうことかと言うと、はてなブックマークの実利用者数は増えていないということです。

私は、物理学部出身なのでグラフ大好き人間なのですが、このように数字で見ると一見違いがあるような場合でも、グラフにすると、そうでもないことが良く分かります。バグも一発で、見つかります(笑)。最近は、「見える化」とでも呼ぶんでしょうか。

それで、せっかくだから、もう一つ「見える化」してみたいと思います。以下の図は、100万円をサラ金の金利(出資法上限。年29.2%)で借りたときと、法律で定められた金利(利息制限法上限。年15%)で借りた時の、利息の増え方をグラフにしたものです。

これまで、本来なら青い線の金利で貸さないといけなかったにも関わらず、サラ金では「借りた人が、好きで利息を払っている」という建前の元、赤い線の金利で貸し出していました。この青い線と赤い線の間が、いわゆる「グレーゾーン金利」です。数字で言うと、29.2%も15%も、大して差が無いように思えますが(せいぜい2倍)、サラ金の違法金利では、あっという間に雪だるま式に借金が増えるということがわかると思います。返済を考慮したシミュレーションを行うと、この差は、さらに広がります。ちなみに、詳しい説明は省きますが、クレジットカードのリボルビング払いも超危険であり、サラ金と同じような問題が起きますので覚えておいてください。

というわけで、悪徳商法マニアの皆さんは、数字に騙されないよう、グラフにするなど別の観点から考える癖をつけておくと良いかと思います。プログラムの世界では、有名な格言に「推測するな、計測せよ」というものがあるのですが、同様に「数字でみるな、グラフ化せよ」ということも言えるかと思います。まあ、グラフはグラフで騙す方法はいっぱいあるので、ご注意ください。

注) はてぶトップは、これが言いたかったがための「孔明の罠」ではありません。

【1月12日 追記】

ロングテールとかに興味のある方は、こちらの記事もご覧ください。


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