「偽」という漢字が世の中を席巻した2007年末、九天社から「学位商法−ディプロマミルによる教育汚染」という本が出版されました。著者は、静岡県立大教授の小島茂氏。「学歴汚染(ディプロマミル・ディグリーミル=米国型学位商法による被害、弊害)」というブログもやっておられる方です。日本で問題になりつつある学位商法とはどのようなものか、豊富な実例をあげて詳しく解説しています。

こういった大学教授が執筆する本というと、どうも小難しい印象があるのですが、この本は良くも悪くも「素人くさい」つくりになっていて(誉め言葉)、大変面白く読むことが出来ます。「○○大学の件がTVで取り上げられると、早速、読者からメールが来た」って、文章は淡々としていますが、どっかの潜入取材番組の様なノリです(笑)。なお、ここでは○○大学と書きましたが、実際の本の中には、パシフィック・ウエスタン大学、国際学士院大学、クレイトン大学、そしてイオンド大学など、全て実名で登場します。偽大学や読者とのやり取りが、そっけなく、そしてその分リアルに克明に描かれています。

値段は、2,625円と、ちょっと、いやかなり高めなのですが、是非買ってみてください。ちなみに、九天社は拙著「グーグル八分とは何か」を出版した際には、毎日(ほんとうに毎日)イオンド大学からクレームの電話が掛かって来ていたそうですが、今でも掛かってきてるんでしょうか?(良く知らない)

あれだけ嫌がらせされておいて、また喧嘩売るような本を出す会社ってのもスゴイです。全くもって、何を考えているのか分かりません(誉め言葉)。それだけの価値のある本だと思います。

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