11月25日に行なわれる予定だった「ラーメン花月・平和神軍事件」の第4回公判(北条晋一氏への証人尋問)は、当日、直前になって延期になりました。と言うのも、東京地裁522号法廷前に、裁判関係者を誹謗中傷し、脅迫する文面を書いた紙が貼られ、警察に通報、現場検証が行われる前代未聞の事件が起きたからです。傍聴予定だった人や裁判所職員、報道記者、警官など、一時は50名を超す人でごったがえし、辺りは騒然となりました。これはもはや、日本の司法制度に対するテロ行為と言ってよいでしょう。

問題の紙は、A4ほどの大きさで、上半分には「ラーメン花月」オーナーの黒須英治氏の写真が載せられ、下半分には「黒須英治博士にあやまりなさい」「地獄に落ちる前に」などと、被告人や紀藤正樹弁護士らを誹謗中傷し脅迫する文章が書かれていました。その紙が、法廷入り口のドアの前の床に、強力な接着剤で糊付けされ、まさに踏み絵のような状態です(下図)。

目撃者の証言を元に作成(クリックで、拡大)

結局、裁判は15時から別の法廷で開かれ、「今日は中止します」と言う手続きだけ行なわれて終了しました。証人尋問は、次回12月20日に延期です。法廷も、426号室の警備法廷に変更になりました。証人尋問を担当するはずだった弁護士からは、「このような騒ぎが起こるとコンセントレーションが乱され、良い尋問をメイク出来ない」とのボヤキも聞かれ、当日、尋問で行なわれるはずだった、360(スリーシックスティ)やフロントフリップ・テールウィップなどの大技が見れなくて残念でした。

また、別の弁護士は「長年、オウム真理教や統一協会といったカルトとの裁判を行なってきたが、このような事態は初めて。裁判所も、異常さを認識したと思う。内容としては被告人らへの脅迫だが、支援者や傍聴人、メディアへの圧力を目的として行なったのだろう」とコメントしていました。

と言うことで、ブログで「ラーメン花月は不味い」とか「YahooBBの勧誘はウザイ」なんて書いていると、訴訟攻めにあったり家の前に張り紙されたりする可能性があるので、注意した方が良いかもです。

威力業務妨害:東京地裁に被告ら中傷の紙 開廷遅れる

 25日午後1時半ごろ、東京都千代田区霞が関の裁判所合同庁舎5階にある東京地裁法廷の傍聴人入り口前の床に、開廷予定だった刑事裁判の被告と弁護人らを中傷する内容のA4大の紙が張ってあるのを弁護人が見つけ、110番した。この影響で開廷が遅れ、予定されていた審理の一部が延期となった。警視庁丸の内署は東京地裁に対する威力業務妨害の疑いなどで捜査している。

 この裁判は、ラーメン店をチェーン展開する会社の名誉をインターネット上で傷つけたとして、会社員男性(33)が昨年12月に在宅起訴された事件。午後1時半から開廷予定だったが、現場検証などのため休廷し、法廷を4階に移して午後3時から開廷した。予定されていた証人尋問は行われず、約20分の書証審理だけで終了した。【篠田航一、銭場裕司】

毎日新聞 2005年11月25日 22時22分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20051126k0000m040138000c.html

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