参考文献:からくり民主主義/高橋秀実
2005年6月10日
あとがきによると、タイトルは「からくり・民主主義」では無く「からくり民主・主義」らしい。沖縄米軍基地や原発誘致、諫早湾干拓など、単純な2項対立と捉えられがちな問題について、一歩離れて取材した本。
大手マスコミ的視点でテーマを分かりやすく持ってくるのではなく、複雑な世の中を複雑なまま取り込もうとする姿勢は大変面白い。しかし、結局のところ「反対運動はビジネス」「正しく見えても裏がある」「人間って、したたかだよね〜」的な分かりやすさを提供しているだけにもみえる。陰謀論と同じで、良く分かった気にさせられる分、余計たちが悪い。
とはいえ、原則論で物事を単純化しがちな風潮について考えさせられる、良い本だろう。現状を正しく伝えているかどうかは、別として。
【目次】
- 国民の声 — クレームの愉しみ
- 親切部隊 — 小さな親切運動
- 自分で考える人びと — 統一教会とマインドコントロール
- 忘れがたきふるさと — 世界遺産観光
- みんなのエコロジー — 諌早湾干拓問題
- ガリバーの王国 — 上九一色村オウム反対運動
- 反対の賛成なのだ — 沖縄米軍基地問題
- 危険な日常 — 若狭湾原発銀座
- アホの効用 — 横山ノック知事セクハラ事件
- ぶら下がり天国 — 富士山青木ヶ原樹海探訪
- からくり民主主義 — あとがきに代えて
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